医学部学士編入/再入学に関して考えること。

また今年も、後輩から、編入試験に関する質問がくるようになった。

最近考えることを述べたいと思う…あくまでも個人的な意見です。失礼あったらすみません。。。

医師免許を持つと、選択肢は格段に増える。臨床の仕事はもちろん、研究も臨床寄りのことができる。WHOで国際保健に従事するもよし、国境なき医師団に参加して、途上国援助するもよし。
私が最も恩恵を感じるのは、研究を思いっきりできる、てことかな。本当に失礼な考え方で、申し訳ないけれど、バイトして、ある程度稼ぎながらできるし、失敗したら臨床に戻ればいいし、一生臨床的な研究もできるし。経済的な後ろ盾があるから、思いっきりできる。そういう意味ではすんごく楽しい。

それに、医学部で過ごす4年間も、東大薬学部に比べたら刺激は少ないかもしれないけど、それでもそれなりに充実してる。学生中や、マッチング決める際も、この変なキャリアが幸いして、いろんな面白いことができる可能性がある。私の場合だったら、ストックホルムに行けたりとか、WHOで4年生なのにインターンできたりとか(普通は6年じゃないと受け入れてくれない。)。ただし、普通に働いてる人は、こんなのよりもっともっと面白いことを経験してると思うから、これをどう思うかは人それぞれ。

だから、現役入学から2年遅れくらいだったら、誰でも挑戦すればいいと思う。男の子だったら、いくら遅れてても、挑戦すればいいと思う(ま、あまりに年をとると、科が限られるかもしれないけど。外科とかはちょっと厳しくはなるかも。)。

だけど、一つ要注意だと思うのは、女の子である。入学当初は全く考えていなかったが、友人が結婚したり出産したりすると、かなり悩むようになる。医師が一人前になるには、時間がかかる。専門医を取るまでに7年くらいはかかるし、博士課程に行ったりだとか、留学したりだとかもあるので、まぁ、卒後10年くらいしないと、「もうあとは気ままにやろう」なんていう風には絶対に思わない。だけど、出産にはタイムリミットがあるので、どこかでちょっと休んだり、手を抜いたりして、みんななんとか産んでいる。「大学院にいる間に産むのがベスト」であると、東大医学部の友人(もう女医)は常々言っていたが、研究をバリバリやりたい人にとっては大学院にいる時が研修医の次くらいに忙しいに違いない。結局、「子供がいるとバリバリできなくなるかも」というのが怖くて、子供は先延ばしになりそう。

この問題は、現役で入った子でさえ苦労する問題だと思われる。だから、タイミングなんて待ってたってこないんだから、学生中に一人くらい産む。そのくらいの覚悟を持たないと、修士卒後や博士卒後に編入するのは厳しいのではないかと思われる。

ま、臨床医ができればキャリアなんてなんでもいいや、っていう人ならいいんですが、東大卒の人はそんなこと考えてなさそうなので…自分を含めて、かもしれないですが。以上、雑感です。