残念、非常に残念

笹井先生が亡くなった件、非常に残念です
実は、私はCDBの笹井研に見学に行ったことがあります
基礎研究に興味を持っていた時期に、医学部を終わってすぐ、あるいは研修が終わってすぐに、どこか良いラボで研究をやりたい、と思い、CDBに強い興味を持って、笹井研に見学に行きました。
間違いなく、再生医学の分野をリードしていた世界的な権威の一人です、とても有名な人です。
彼は、STAP騒動の末に自殺した人としてではなく、再生医学研究におけるこれまでの輝かしい研究成果と,日本の研究界発展に寄与した功績において、記憶されるべき素晴らしい人です。

マスコミにはひたすら、怒りを覚えます
研究の何を理解して、そこまで批判してるのか、、、と思ってました
特に報道ステーションには心底がっかり。もう、あのキャスター嫌い。物知り顔だけど、何を知ってるんですか。
マスコミがやっているのは、今問題になっている学校のいじめと全く同じことである。
公開処刑であるだけに、余計にたちが悪い。
弁解の場もろくに与えられず、弁解したとしても聞く側が全く理解していないためにさらにいじめを受けるという最悪の状況。そりゃ誰でも鬱になりますわ。

STAP論文の、フィギアの改ざんとか、文章の丸写しだとか、そういう手続きの誤りは、絶対に認められない。
著者、指導者は、こちらに関してはしっかりと謝らなくては行けないし、責任も取らないといけない。
ただし、STAP細胞のアイディアに関しては、とても魅力的である。
実際に、遺伝子導入でStem cellが出来るのであれば、他の方法でも出来る可能性はあると思う。意外と、分化、脱分化というプロセスは、簡単なのではないか、というのは、多くの研究者が考えているところである。
だから、もし本当にこれがあるんだと考えているのであれば、発表するのは自由だし、これが間違っている可能性があると指摘されたのであれば、検証実験をして、あるのかないのか、白黒付けるというので良いのだと思う。実験結果に自信があるのであれば、結局無かったのだとしても、「やっぱり無いみたいです」と言って論文を撤回すれば良い。それは研究者として、絶対許されない行動ではない。むしろ、ある程度の間違いを許容しなければ、誰も発表しなくなるし、新しい事実も発見は出来ない。

研究の魅力は、個人として活動できることだと思っていた。
でも、一度レッテルを貼られると、一生はがせない可能性がある、ということも今回痛感させられた。
個人の責任がでかいんだよなぁ、研究って。

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一方で、私は、「自殺したら終わりだよなぁ…」と冷たいことを考えてしまったりもします。
自分がそこまで追いつめられた経験がないのでよくわかりませんが、自殺する人は、やっぱ心がちっちゃい人なのかな、って思っちゃったり。
ごめんなさいね。
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ま、とにかく、日本の基礎研究の評判が落ちていること、基礎研究を目指す若者が減りそうなこと…にはちょっと危機感ですよね。

救急の夜勤明けです、おやすみなさいー