なんのために生きるのか

また人を救えなかった

人生は非常に短い、ということを嫌でも痛感させられる
周りを見渡すと、医療の現場でバリバリと働いているのは30代まで。45を過ぎてバリバリと手術やら看護やら、体力が必要な仕事をしている人がいかに少ないことか

きっとみんな、病院に行って「若手の看護師にあたった」とか文句いうだろうし、私だって昔はベテランの、50−60の初老の医者が一番信用できると思っていたが、そんなのは幻想だ。医療の現場の主戦力は、医者は30代。看護師は20代。医者は20代で技術を積み、30代は体力を犠牲にしてバリバリと働き、40代は後輩の指導をしながら人によってはまだバリバリと手術をして、50代には本当に難しい手術のアドバイス役になる。50代でオペレーターになったとしても、前後のルーチンの準備片付けは後輩に任せて、体力を温存する。これが現実なのである。体力のピークが、20代であるというのは、スポーツ界、特に体力がものを言う水泳などをみれば一目瞭然である。50代の中でも、知識をちゃんとアップデートしている人は良いが、知識が昔のままで、時代遅れ極まりない治療をしている医者にあたったら最悪である。だから、30代の生き生きとした医者にあたった人は、むしろものすごくラッキーだと思った方が良い。幸いにして、私は20代にして診療内容の説明に至るまで一人でやらせていただいているのでありがたいことだが、正直に言って、体力的に厳しいと思うことがたまにはある。

40代までは、みんなに平等にやってくる。ここまでになんらかのおおきな病気に罹患した人は、同情されてしかるべきである。よほど生活習慣が悪くない限り、40代で心不全になったりしている人は、やはり珍しいしかわいそうである。しかし、50代であれば話は別で、心不全になる人、心筋梗塞になる人はたくさんいる。今喫煙している人がいれば、絶対にやめた方が良い。喫煙に良いことなど一個もない。心筋梗塞で入院する人の中で、喫煙者がどれだけ多いことか。タバコ吸ってました?と聞いて、「今は吸っていません」と言われることが多いが、よく聞くと、昔は1日2箱吸ってました、と言われたりする。なんと愚かなことか。

最近、堀江貴文さんが大好きで、彼の本をたくさん読んでいる。20代の数年間でライブドアをあそこまで大きく育てあげた堀江さんの言葉は時に過激(特に、結婚への絶対反対論、部下は切り捨てる、友人は更新するもの、などw)だが、参考になる言葉が多い。最近の本で言えば、「ゼロ」や、「本音で生きる」などは本当にためになる。
堀江さんは、裕福な家庭に育ったわけでも、東京で恵まれた情報の中で育ったわけでもない。東大の駒場では汚かったはずの駒場寮に住んでいたというのも結構衝撃である。堀江さんの成功ストーリーには、東大生の中では決して恵まれていなかったはずの人が、ぐいぐいと自力で這い上がっていく心地よい爽快さを感じる。遠い存在ではあるが、なんだか親近感を感じてしまうのである。世の中的には過激と思われる数々の発言の中にも、自分的には同意してしまう発言もある。例えば、私は結婚したら妻が家計の管理をすべきだという考えはおかしいと思うし、収入が十分であれば、堀江さんのように家事は自分でしないでダスキンに外注したり、ベビーシッターを雇ったりしたっていいと思う。家事をするのが好きであればやればいいけれども、それが大変だからといって仕事を諦める必要性は全くないし、その分稼げばいいのでは?と思う。「子供のために頑張る」というのが、現状を変えなかったり、新しいことへのチャレンジをしない言い訳になるのもおかしいと思うし、「まあ、子供と自分は別の人間だからな…」と思っているので、夫婦別姓になっても、子供と自分の姓が違っても「一体感がない!」なんて思わない。夫婦別姓にしてほしいが、最高裁が夫婦同姓を強制することを「合憲」判断をした時点で、この国は変わらないな…と思って半ば諦めた。結婚するとしても自分は姓を変えたくないが、夫にそれを求めるのも酷である。対等なパートナーとしてしか見ないと思うので、自分がやりたいことを制限するのも、制限されるのもどちらも嫌だなぁと思う。多分、今まで通り好き勝手にやっていいよ、一緒に旅行行ったりして楽しもうよ!という人が現れたら結婚するものと思われる。

話は逸れてしまったが、人生は短い。本音で、やりたいことをやっていかないとあっという間に終わるものだということを嫌でも痛感する。

自分のやりたいことは何なのだろうか。やっていて一番楽しいのは旅行である。「老後は旅行に行きたい」とか考えるのはやめた方が良い。循環器内科医といて断言するが、体力が一番あるのは、今現在であり、今以上に向上することは絶対にない。私は、なるべく休みを取って、スキーやら旅行に行くようにしているし、仮に休みをとらせない職場や、休みを返上しないといけないとして、その時間に対する正当な報酬を与えない職場であれば、即効やめて、定期的に旅行に行ける環境に行くと思う。「お金がないから」「子供がいるから」という理由で旅行に行かないのはもったいない。他にもっともっとやりたいことがあるから、という理由ならOKだとは思うが(それが育児なら、別に止めたりはしないですよ)。

そして、やりたい旅行をたくさんするためには、お金がいる。だから、お金持ちになりたいと切に思う。そうなると、果たして今の仕事が将来性の良い投資となっているのか??それが怪しくなる。

とりあえず、投資と税金対策を始めることにして、今月中には高崎に家を買うかもしれない。新婚で、上野の新築マンションを買うという先輩に、「投資用に家買ったりしてこわくない?」と言われたが、全くこわくない。私にとってはめちゃくちゃ値段が上昇している今、都内の新築ピカピカの割高マンションを買うことの方がよっぽど怖いのですが…。投資、税金対策って、やろうと思えばリスク低くやる方法がいくらでもある。お金の価値は、絶対に下がっていく。だから、投資をしないということは目減りしてしまうということで、投資しないことの方がリスクだと思う。漫画のドラゴン桜には、「買うときに摂取され、売るときにも摂取され、常に弱者は摂取される。」という名言がある。情報弱者は常に損をするようになっているらしい。情報を得ようと努力しないか、もしくは情報を得たときに軌道修正しない人は、もうどこまででも損をしていく。そんな世の中なんだな。