ブラックジャック出会った2

もともと厳しい予後が予想されていた方が、急変した。
研修医とブラックジャックは立ち尽くした。

もう、何もできないであろうということはわかっている。
それでも、何か改善できることはないかと、ブラックジャックと研修医は、採血をしてみたり、レントゲンを撮って見たりした。
でも、もはや改善の余地があるところは残っていなかった。

ブラックジャックは患者を見つめたまま、その部屋を離れようとはしなかった。ずっと見ていた。少し大きいため息をつきながら。

いよいよ苦しいそうなので、モルヒネをオーダーする時に、ブラックジャックが苦悩のあまり、少し顔をゆがませていた。もしかしたら泣いていたのかもしれない。そして最後まで、患者を見つめていた。

初めて会ったタイプの先生で、研修医としては感激した。患者が死んでも、医者が泣いちゃいけないって誰が決めたんだろう。